低予算の力

南越谷のお店の外観のイメージが出来上がってきた。

白を基調としたフェミニンな雰囲気にしてある。

Kさんが、「女性が楽しめるお店にしたい」と話していたからだ。

 

窓と入口の位置や大きさは、変わっていない。

看板もそのまま再利用している。

 

元々あるそれらのシンメトリーな構成は、きれいである。

仕上げ材と色と細かなパーツをきちっと設計し直せば、雰囲気は、がらっと変わると感じていた。

 

外壁はガルバリウム鋼板という屋根に使う金属板で仕上げている。

この手法は、今まで二回使ったことがある。

岩井の家と蕨・中央の家である。

 

理由は三つある。

 

一つ目は、コストを抑えるために、職種を絞り、外壁を大工さんと板金屋さんで完成させるためである。二つ目は、交通量の多い道路に面しているので、汚れにくい外壁にするためである。三つ目は、白く明るい外観がとても目立ち、歩行者の印象に残るからである。色々なことが同時に解決できるので、この手法を採用してみた。

 

この後、見積書を作成するが、予算オーバーした場合、やり方を考え直さなければいけない。

 

予算が少ないというのは、悪いことではない。

それは、設計条件の一つにすぎない。

予算が少ないと、優先順位をはっきりさせる必要に迫られてくる。

それが、考え直すきっかけになり、今までにない特徴のあるデザインが生まれることがよくある。

 

一度作り上げたイメージを壊して、一から考え直さなければならない。

設計者にとっても、悩ましい作業である。

そのようなときは、今までにないものを生み出すチャンスだと思い、前向きに取り組むようにしている。

ピンチはチャンスなのである。

 

 

岩井の家

蕨_中央の家