自分で作った新聞を配っていると、印象的な人物にときどきお会いする。
彦成地区に水色の外壁の住宅が、奥まったところにひっそり建っている。木の看板が掲げられ、刀剣研ぎと書かれている。
実は近くに包丁を一回300円で研ぐ仕事をしているお父さんがいらっしゃた。その記憶があったので、同じような仕事をしているところなのかなと思ったが、違っていた。
インターフォンを押すと、中から若い男性の方が出てきた。話を聞くと、なんと刀を作る最後の工程である刀研ぎを2階でしているという。
「和こころ」とうサイトで紹介されているという。
さっそく戻って調べてみた。
世界にたった一本しかない刀を研磨する作業には失敗が許されません・・・・
世界で1振りしかない刀を託される責任感は凄まじい重圧・・・・
と書かれている。
確かに、刀研ぎは、後戻りややり直しが効かない作業である。
そんな厳しい作業の中にも、自己鍛錬の要素を自分で見出し、覚悟を決めて仕事に向き合っている姿勢が素晴らしい。
とかく世間では、仕事は楽しくと言われがちだが、私は自分の仕事でそのように思ったことは一度もない。
仕事はしんどいのが当たり前、それをやり抜く中で、自分だけのやりがいや達成感を見つけていくのが普通なのだと思っている。
和こころ 佐々木卓史(刀剣研師)