木工事が始まると、大量の端材が発生する。
以前から、もったいないと思っていた。
先日、建具屋さんの事務所で、仏像を見せてもらった。
建具に使う材料は、柾目で仏像を彫るのに適している。
そのため、焼却してしまう端材をもらいにくるそうだ。
通称インニッサンという野縁に使われる安い赤松で作った小さな仏像も見せてもらった。
粗く削った彫刻刀の跡がそのまま残った味のある仏像だった。
そこで、私も仏像を彫ることにした。
材料は、造園屋が伐採した枝の切れ端である。
以前、捨ててあるのを拾って、持ち帰っていた物が残っていた。
三本持っている彫刻刀で、適当に、その時の気分で掘り進めていた。
出来上がったものを見て見ると、仏像というより、ご老人の木の人形のようなものになってしまった。
見方によっては、アルベルト・ジャコメティぽいので、アートだと嘯いて見ることにした。