早稲田団地に足を運ぶ。内覧会の来場者の方に、会社案内を配布するためだ。興味を持ってくれるだろうかと、期待と不安が入り混じる気持ちだ。
リフォーム難民から逃れる道を示そうと、前日、チラシ表面の文章を考えた。それは、お客様と接して分かったことである。三郷団地O改修のクライアントOさんは「リフォームを設計事務所にお願いするという発想が無かった」と話してくれた。彦糸Pホーム改修のクライアントMさんは「設計事務所って、新築をお願いする所だと思っていた」と話していた。「設計料を取られるから嫌だ」という声には、医療の診察を例に説明することにした。
花壇に腰掛、読書をしながら、来場者を待ったが、誰も来ない。
仕方がないので、住民の方にも配布することにした。買い物帰りの方に、声を掛けるが、「考えていない」と受け取ってもらえなかった。スクーターの修理を行っていた方に、声を掛けたら、受け取ってもらえた。雨も降ってきたので、その日の配布活動は終了した。本日も行う。
以下は、チラシ表面のメッセージである。
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団地リフォームをご検討中の皆さまへ
人生百年時代、本質的な機能改善と居心地の良さを実現するなら
リフォームは設計事務所に相談する時代
機能性を考慮しながら、雑誌で見た、あの空間を実現する方法があります。
それは、リフォームに、設計という段階を、しっかりと設けることです。
多くの方は、リフォームをエアコンの交換くらいに考えていないでしょうか?
チラシに用意されている仕様の決まった選択肢を選ぶことを、リフォームと思っていませんか?
それでは、どこか不満が残る結果になるのは、当然です。
それを回避する3つのポイントがあります。
ポイント①:漠然と抱えている悩みの原因をきちんと分析する。
ポイント②:そのための解決方法を、しっかり確認してから、工事を行う。
ポイント③:複数の提案の中から選ぶ。
そのためにも、設計の打合せに十分な時間を掛けることが必要なのです。
設計は医療行為の診察に似ています。私たちは、医師の診察結果を求めて、病院に足を運びます。健康を取り戻すまでのステップを知ることが出来るからです。不満の残るリフォームは、医師の診察も受けずに行う医療行為のようなものです。そこには「診察=設計」というプロセスが抜け落ちています。
きちんと設計を行うと次のようになります。
◆専門家の意見を参考に、新しい情報に触れるので、ご自身の考えが整理されます。
◆ご自身だけでは気づけない課題や解決方法を知り、これまでの延長線上ではない未来に近づきます。
◆その考えを、図面や模型や絵にしてみるので、新たな気づきが得られ、確信に変わります。
◆そのサイクルを、納得がいくまで行いますので、打合せが楽しみになります。
団地は建物の作りと仕様が特殊です。そのため、普通の設計事務所は、1件目の設計のハードルが高く、ノウハウがありません。また、設計が行われたとしても、団地のお部屋はコンパクトで、住みながらの本格的なリフォーム工事には、特別な配慮が必要です。その二つのハードルがあるため、魅力的な団地リフォームの事例が少ないのです。しかし、私は、設計者でありながら三郷団地に住み、二件の団地リフォームを経験することが出来ました。
そこから分かった団地リフォームの3つの方法があります。
方法①:きめ細かな設計
方法②:考え抜かれた緩やかさ
方法③:既成概念にとらわれない工夫
その方法を使った事例が、「三郷団地S改修」と「三郷団地O改修」です。
特殊な材料、高価な素材は、一つも使っていません。ビバホームで売っている材料と、どこにでもある標準的な仕様で作りました。木目が目を引くリビング壁は、ビバホームで売られている杉の羽目板です。お店で封を切り、木目の具合を見て、私が厳選したものです。そのような材料を上手に使えば、魅力的なお部屋は、手頃な価格で作れるのです。
それは「工務店機能を兼ね備えた設計事務所」である弊社だから出来るのです。
初回二回の無料提案を行っています。二回目には、概算見積書を作るようにしています。お気軽にお問い合わせください。
設計施工之コ―タロー 橋本孝太郎