打合せを進めていると、専門家が考え付かないようなアイデアが、お客様から出てくることがある。三郷団地O改修のお客様も、その一人だった。
キッチン正面の壁に窓を設けて欲しいというのである。介護の観点から、四畳半の個室をご主人の部屋にし、台所から様子が分かるようにするという目的からから生まれた。
四畳半の部屋を大工の作業部屋として使っていたので、そこでの作業が終わりかけてきた段階で、開口を開け始めた。工事中盤であったが、壁を壊し、開口が開いた瞬間の開放感は、今でも忘れられない。
それぞれの居場所をきちんと確保しながら、何となく繋がっているお部屋の関係性が生まれた。四畳半の部屋も、全体のお部屋も、大きさは変わらない。それにもかかわらず、視線が抜けるので、広くなったように感じる。文章で説明するのがとても難しい。
良い方法なので、他のお客様にも提案しようと思っている。