三郷団地S改修の特徴の一つは、リビングダイニングの天井面である。見学会に来られた方も、あれは一体何なのかと、関心を示した方が多かった。
結論から言うと、あれは、ライティングレールを取り付けるために、部分的に作った天井である。天井を作った理由は、配線を隠すためである。それだけの理由である。
では、あのような45度に振った正方形の物体を天井として作り、あの位置に設けたのかというと、別の理由がある。それは、お客様の価値が生まれなければ意味がない、という私の考え方に基づいている。要するに、「もったいない」からである。
デザインは、問題の解決から始まる。それに付加価値をつけようとする過程で、デザインが生まれる。