お店の設計

コ―タローでは、店舗の工事も行います。

 

普段、住宅を作る会社がお店も作れるのか、と思う方がいるかもしれません。しかし、店舗を住宅のダイニングキッチンを大きくしたものと見れば、異なるものではないことが分かります。もちろん、工事を行う職人は、看板工事以外、普段住宅を作っている職人です。

 

起業して最初の仕事は、店舗改修でした。屋台風の飲み屋だった店を、オシャレなワインバーにする計画でした。クライアントの店内レイアウトのイメージを基に、それを成立させる最低限の工事は何かを考え、余計なことは何もしない設計を行いました。使う材料も安価なもの。内装材は二種類の合板を使い分け、外装材はモルタル塗り、を基本としています。そのような材料でも、コントラストをつけたり、ラインを強調したりすれば、オシャレな感じになります。

 

クライアントのコンセプトは、「女性が一人で気軽に入れるお店」でした。しかし、コンセプトを、お店本体で表現しようとするのは、ローコストでは難しい。使う材料が最初から限定されているからです。むしろ、後から追加購入される品々を、コンセプトに基づいた選択をして行けば、自ずとコンセプトを表現したお店になると考えました。

 

ワインバーらしさは、金物の色をゴールドを選んだり、木を焦げ茶色に塗装したり、色で補っています。後は、お店に飾られるメニュ表、小物、展示物、椅子、テーブル、食器、グラスなどで、コンセプトに沿った選択をクライアントにお願いしました。

 

ナナ・ヴァンとな名付けられたこのお店は、来年でオープン7周年である。夏にお祝いのお花をお送りしようと思う。