父が家の中の壁を塗装している。最初は、玄関周りの壁だけかと思っていた。今日は、冷蔵庫を移動し、背後の壁を塗装している。最初から全ての壁を塗装し直す計画だったらしい。
どの個所も、刷毛で塗っているので、よく見ると刷毛跡が残っており、あまり綺麗とは言えない。抽象柄にするなど工夫すれば良いが、慣れないやり方を覚えるのは、高齢な父にとって手間であろう。手持ちの道具で、父なりに一生懸命に行っているので、私は余計な口を挟まないことにしている。
先日、リビング東側の壁が綺麗に塗れたと、父は嬉しそうに語っていた。その色は、手持ちの色を複数混ぜて自分で作った色だった。薄い黄色で、少し黄緑ががっている淡い色である。私の目から見ても、良い色である。間近で見ると、やはり色ムラやはみ出し箇所があったりするが、父にとってはどうでも良い事なのだろう。父はとても満足してる。
夢中になって作業に取り組んでいる父を見て、自信というのは、このような経験によって育まれるのだろうと思った。