井出理恵子氏の講演会

民俗学の研究者である井出理恵子氏の講演会に参加した。日本の信仰、しきたり、言葉の根源的意味を研究している方である。伝統やしきたりから未来を生き抜く知恵を学ぶというのが講演会の趣旨であった。生活の中で希薄になっている日本の知恵を学び直したいという目的から、私は参加した。

 

当然、私たちを取り巻く環境の話から住宅の話題も取り上げられ、建築界で進められているZEH住宅は、本来の日本人の目から見れば、あり得ない姿であると批判の的になっていた。そういえば、母から聞いた話であるが、栃木の農家だった祖父は、団地を初めて見た時、人間が住むものではないと言ったという。機能主義、合理性を追求したモノは、新しく正しいように見えて、何かが抜けている。人間を、糸の切れた凧のようにしてしまう。