一級建築士設計製図試験の合格発表が25日に行われた。私は、来年も取り組むこととなった。社会人になってからの貴重な学びの機会であるので、有り難いことである。そのため、全く悲壮感はない。残り2年以内に1回受験資格がある。
その一方で、残念としか言えない状況の人もいた。一緒に講習会を受講したTさんとHさんである。参加した塾の独自採点では、二人とも合格圏内という結果であった。再現図もシンプルで押えるべきポイントをきちんと押えているように見えた。だから、私は、合格であろうと思っていた。彼らのような解答がお手本だろうと思った。Tさんは、その塾の独自採点では1番の高得点だった。本人も、期待はあったと思う。同時に「もし不合格だったら、EXP.Jのラインを1階平面図に書き忘れた点が原因だろう」と不安も口にしていた。それは、昨年合格だろうと思っていた優秀なMさんが不合格だったのことを知っているからである。それが現実となった。それもランクⅡではなく、ランクⅢである。ランクⅢは著しい知識不足があるという判断である。私は、この試験で何が求められているのか、少し分からなくなった。
この試験は、バランスの良いシンプルなプランが出来ていても、出題元が設定した合否ポイントを外すと、一発で不合格になってしまう。講師方も、不合格にならない事が一番のテーマであると、何度もそのことを強調していた。採点する側の能力が問われないように、合理的に不合格と判断できるように、ある/なし、法規、数字、などのプラント関係ない点で合否を決める。ある一定上の不合格者を合理的に出して、採点基準をその年ごとに変え、目標とする合格者の割合を調整するというやり方を取っているらしい。優秀な設計者を輩出することより、制度を維持することに甘んじているように見える。
貴重な学びの時間は、そろそろ卒業しようと、決めた。